最近、「積み立てNISA」というワードを耳にすることが多くなったのではないでしょうか。積み立てNISAは、資産運用を始める上で必ず知っておきたい非常にお得な仕組みです。
この記事では、
✔ 「積み立てニーサ」という言葉は聞いたことあるけど内容はよくわかっていない
✔ お得な仕組みを利用して資産運用を開始したい
✔ 貯金だけじゃなくて増やすことにも挑戦してみたい
といった方に向けて、積み立てNISAの基礎知識やメリットについて分かりやすく解説していきます。
目次
積み立てNISAってなに?
積み立てNISAの概要
積み立てNISAは、2018年1月からスタートした、国が推奨している新しい投資方法のことで、『利益に対して税金がかからない』というのが最大の特徴です!
通常の株式投資や投資信託では、利益に対して20.315%の税金がかかりますから、利益が30万円の場合は約6万円、利益が100万円の場合は約20万円が税金で取られてしまいます。
しかし積み立てNISAの場合は非課税。運用期間内にでた利益が30万円であれ、100万円であれ、その利益を丸ごと自分のものにでるのです。
NISAは、Nippon Individual Saving Accountの略。少額投資非課税制度という税制優遇のことです。積み立てNISA自体が商品なのではなく、あくまで積み立てNISAは箱(口座)のことです。「利益に税金がかからない積み立てNISAという箱を使って金融商品を買う」と押さえておいてください。
積み立てNISAの条件、期間、非課税上限額
対象 | ・日本在住の20歳以上の方
・一般NISAを利用していない方 (NISA口座は1人につき1つまで) ※19歳以下はジュニアNISAが利用可能 |
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非課税上限額 | ・年間40万円 |
非課税期間 | ・購入した年から数えて20年間 |
非課税対象になる利益 | ・配当金 (保有している間に受け取れる分配金=インカムゲイン)
・譲渡益 (金融商品を売却した時の利益=キャピタルゲイン) |
非課税で積み立てられる期間 | ・2018年~2042年 |
投資対象 | ・金融庁が指定する約200本の投資信託 |
以上に示したように、積み立てNISA口座は1人につき1口座までしか開設できないというしばりがあります。加えて、非課税で運用できる金額は年間40万円(月額33,333円)までという上限が設けられています。
また、非課税枠として購入できる期限は、現行では2042年までとなっています。
期間が20年というのは、投資信託を非課税で運用できる期間が、購入時点から数えて20年という意味です。具体的には、各年に購入した投資信託を保有している間に得た分配金と譲渡益(購入時よりも高い値で売ることによって得る利益)に対して、購入してから20年間は課税されません。
※積み立てできる期間が、初めて購入した年から20年という意味ではありませんのでご注意を!
たとえば2022年中に購入した投資信託は2041年まで非課税で運用できます。積み立てNISAの制度は2042年まで有効ということですので、仮に2042年まで積み立てを行ったとすると、2042年に積み立てしたものについては2061年まで課税されることなく保有できます。
積み立てNISAの投資先は、国民の資産形成のために適した投資先であると金融庁が認めた約200本の投資信託です。
投資信託とは、株や債券や不動産の組み合わせパッケージのようなものです。投資先は国内、海外、全世界、先進国だけ、進行国だけ、など様々です。1つの商品を買うだけで、投資先を分散させることができるため、手間いらずな上にリスクを減らしながら投資することができます。
投資信託については、こちらの記事で詳しく解説しています。
積み立てNISAが初心者におすすめな4つの理由
非課税枠から資産運用を始めた方がお得
積み立てNISAには、利益に対して税金がかからないという大きすぎるメリットがあります。資産運用を行うに際して、このお得な制度を使わない手はないです。
これから資産運用を始めようと考えている方は、非課税の上限額までは積み立てNISA枠を優先的に使った方がスマートということになります。
言い換えるならば、これから資産運用を始める方は、「まずは積み立てNISAから始める」が最適解ということです。
小額から始められる
積み立てNISAの投資先となる投資信託は、最低金額100円から購入することができます。100円があれば世界中に投資ができるのです。
個別株に投資する場合、銘柄にもよりますが数万~数十万、場合によっては数百万という元金が必要となります。
積み立てNISAの場合、小額で始められますから、無理なく将来のために投資を始めたいという方には打って付つけなのです。
いつでも変更・停止ができる
生活スタイルやライフプランの変動などから、途中で投資の方針を変更したくなる場合もあるでしょう。
積み立てNISAの場合、
✔ 積み立ての停止
✔ 積み立て金額の変更 (減らしたり増やしたり)
✔ 保有分の売却
のいずれとも可能ですから、どんな人であれ安心してスタートできます。
投資商品が信用できる
先述の通り、積み立てNISA枠で購入できる商品は投資信託です。実はこの投資信託、中には手数料が高すぎるぼったくり商品があったりもします。
ただし、積み立てNISA枠で購入できる投資信託はどれも、金融庁のお墨付きをもらっている優良銘柄です。
もちろん投資である以上、元本保証されているとか絶対に儲かると断言できるものではないのですが、積み立てNISA口座から選べる投資信託は、最も安全で信用できる選りすぐりの投資先のひとつであるといえます。
積み立てNISAを知っていれば金融リテラシーはかなり上位な件
2018年から始まった積み立てNISA制度。2021年6月時点での口座数は417万5,430口座だそうです(引用:金融庁データ集)。
一般NISAと合わせても、1,654万8,428口座にしかなりません。
一般NISAと積み立てNISAは併用することができず、かつ、NISA系の口座は1人につき1口座しか開けませんから、この数字が直接NISAないし積み立てNISAをやっている人の数ということになります。
現在、日本の20歳以上の人口は、約1億500万人ですから、NISAないし積み立てNISAをやっている人の割合は、約16%となります。
これは言い換えると、積み立てNISAを知っているだけで、金融リテラシーがかなり上位(偏差値換算すると約60以上)ということです。